■ 日本の文様 薀蓄講座 ■

青海波(せいがいは)

青海波はエジプトやペルシアをはじめ世界各地に見られる文様である。

日本では古くは埴輪の着物にも見られるが、

水を意味するものとして描かれるのは鎌倉時代の古瀬戸瓶子からである。

「青海波」という雅楽の舞曲からなずけられたとされており

江戸時代の無人の装束の袍(わたいれ)にはこの文様がつけられている。

江戸時代中期に勘七という漆工が特殊な刷毛でたくみに描いたので、

世間では彼を青海勘七と呼びこの文様を工芸全般に広く普及したとされる。

「青海波」は同心円の一部が扇状に重なり合った連続文様である。

このほか〜「花青海波」「破れ青海波」「菊青海波」「青海波紅葉」「青海波」「鮫青海波」・・・〜がある。

− 文様事典(視覚デザイン研究所編)より −