【 健康作りエッセイ 】

創作トライアスロンは芸術だ!


トライアスロンをまるで「絵画」や「作曲」あるいは「ジャズダンス」のごとく、独創的アイデアで創作し、楽しんでいる人がいる。

トライアスロンは『最高のスポーツ芸術!』だと思っているからである。文芸的なものとは異なり、『肉体を最大限に活用し、各種スポーツを組み合わせ、体力のバランスを探求する』というテーマである。
私はついに「創作トライアスロン」に嵌ってしまった。面白くて、楽しくて、しょうがない!約10年前から、TJ誌に数々の練習会の案内を掲載し、「異色トライアスロン」を企画し運営してきた。
 TJ誌の編集部と練習会に参加して頂いた皆様方、本当にありがとうございます。

近年の不景気はトライアスリートにとって、大変厳しい環境になってきました。TJ誌の厚さがこれを物語たっているように感じます。トライアスロンの愛好者も、大会の数も減ってきたのではないでしょうか?
中高年のアスリートは「今どき、トライアスロンどころじゃないよー (>_<) 」というのが本音であろう。大会参加費の捻出も厳しくなってきた。

私が、「生涯スポーツライフ」に目覚め、「体力、健康作りで生き抜いてこう!」と決心したのは、40代の半ばだった。
 学生時代に特別なスポーツをやってきたわけではないが、マラソン、自転車、川下り、陸上競技、水泳、登山、スキー、スケート、エアロビクスなどをこなしてきた。

 本格的トライアスロン大会に出場したのは「氷上トライアスロン」だった。生まれは信州で、冬のスポーツは大好きだった。特にスケートは小さいころから得意だった。
10数年前には、登山マラソンに凝り、自転車やマウンテンバイクにも凝った。「水泳を絶対マスターしてやる!」と意気込み、水泳に夢中になった。トライアスロンの「三種の神器?」も揃い、数々の小さなトライアスロンの大会や練習会に出場した。地域クラブとして、「鶴ヶ島トライアスロンクラブ」を作り、日曜日の定期練習も行なってきた。しかし、当初、7人のメンバーも今や2人になってしまった。さびしい限りである。

トライアスリートはとかく一匹狼になりがちである。練習が長時間 なるのと環境やレベルも異なるので、合同練習は大変難しい。
日曜日に何をやるにしても、月曜日の仕事のことを常に考える。職業(建設機械の修理業)が肉体労働なので、疲れきってしまっては、事故を起こしやすい。練習会はせいぜい5時間程度だ。

最近『体力の総合的バランス』を重視している。職業柄パワー系かアクロバット系の体力を必要とするからだろう?
「創作トライアスロン」企画するようになったのは「大会に出場する機会に恵まれないアスリートに練習会を提供したい!」「異色アスリートとの出会いたい!」がねらいだった。

多くの人々に喜びと楽しみを与えられる人間になりなさい!』ということは「慈愛に満ちた父母からの教え!」であった。(*^。^*)
 私のモットーは今も変わらぬ『自然との共生、人々との共遊』である。特に『遊』は大切だ。幼少のころから「遊び大好き人間!」で、野山を駆け巡り、川で泳ぎ、大自然の中で遊び惚けてきた。学生時代も、社会人になってからも、相変わらずで、技術者を目指してきたのだが、いつも「遊び第一主義!?」で、企業人として成功したとは言えない。

肉体があるではないか!』「忍耐系スポーツ」ならきっと、成功するに違いない!「私の人生観にもマッチしている!」と思うようになった。

1.『創作トライアスロンは最高のスポーツ芸術だ』
@ どんな運動やスポーツの組みあせが、リフレッシュ効果があり、満足感があるのか。
A ハードな割には、疲れないスポーツの組み合わせは、どんな種類のものか。
B 「体力の総合的バランス」とは、どんなことを言うのか。
C 打ち消しあう運動でリラックスするトライアスロンの研究。
D どんな自然と戯れて挑戦して行くと楽しくなるか。
E 地味なスポーツを組み合わせ、楽しく、味わい深く、醍醐味のあるトライアスロンは?

こんな風に、私の頭の中には創作トライアスロンの企画がいっぱい浮かんでくるのです。
「このつぎの日曜日に何をしようか。誰とどこで遊ぼうか?」ということはだれでも考える。
文化系の楽しみも各種あるが、私はスポーツ系の楽しみに生きがいを感じている。

近年、中高年の多くは「運動不足病」で悩んでいる。私はひたすら「体力健康作り」を行っているだけです。現代の複雑多忙な生活環境の中で「創作トライアスロン」を企画、運営してきました。「体力の総合的バランスを求めてスポーツを楽しむ。」「他のスポーツにない、知的体力、激しさ、奥ゆかしさ、忍耐強さ、優雅さを満喫する」「変人奇人アスリートとの出会い」「マルチスポーツの面白さ」これらのすべてが【創作トライアスロン芸術】だと思うのです。
2. 「創作第1号」のトライアスロン

●「天竜下りトライアスロン」(試走会)H5年8月開催。
  (川下り:10km、山岳バイク20km)
  参加者:5名「TJ誌1993年9月号掲載」

少年時代を南信州の天竜川で遊んだ私の「大いなる夢」の実現。天竜川を浮き輪(チューブ)で下る。
「こんな面白い企画はないだろう!」と自己陶酔していた。

開催日「心うきうきわくわく!」「どんな人が来るのかなあ!」真夏の太陽のもとで、チューブ下りを行なった。
すべて試行錯誤。集まったのは名スイマー。講習会(自称:チューブ下り指導員)を開催。当初3kmの予定だったが、渓谷の急流と怒涛に打たれ、悪戦苦闘しながら流れ下り、面白く、爽快だったので10km下流の天竜峡まで延長してしまった。

バイクは河岸段丘のアップダウンのきついコース。最後のランは時間が無く中止。未完成に終わってしまったが、爽快さ優雅さ抜群の最高傑作だった。いつの日か、また行ないたい。

天竜 下りトライアスロン(スタート風景) 
天竜下りトライアスロン

天竜下りトライアスロン(案内図)
3.「傑作」トライアスロン(3例)
@ 埼玉氷上トライアスロン(3回)
  開催日:H6年12月10日、(第1回目)最多参加者:12人
  場所:秩父ミューズパーク「スポーツの森」周辺
  種目:バイク15km、ラン10km、スケート10km
  寸評:スケートの愛好者と国体選手、氷上のトライアスリートが集まった。
  TJ誌1995年3月号(ローカルリポートに掲載)
氷上トライアスロン(秩父ミューズパーク)
氷上の長老、遠藤氏(82歳)

A 埼玉雪上トライアスロン(1回)TJ誌掲載
  開催日:H7年3月11日、参加者:4人
  場所:所沢市、狭山スキー場(屋内)周辺地帯
  種目:スキー10km、バイク35km、ラン10km 
  寸評:スキーマニアの集合。異色アスリートが集まった。

B 「宿谷の滝」滝めぐり(1995年1月号掲載)
  寸評:バイク35km、マラニック走7km、滝打たれ修行(落差20m)。奥武蔵の秘境を組み入れた精神統一。
4.味わい深い、「水陸デカスロン」(3回)

●種目:水泳5種(25m横泳ぎ、50mバタフライ、100m背泳ぎ、200m平泳ぎ、400m自由形)
 陸上5種(100m走、走幅跳、やり投げ、円盤投げ、5000m走)
 参加者:平均5人
 寸評:最も味わい深く、体力のバランスを必要とする大会です。
   種目の内容は毎回変更。水泳の名人(指導員クラス)が集まってくれる。陸上短距離、投てき、パワー系のアスリートがもっ   と来てほしい。
    今後、棒高跳び、ハンマー投げ、三段跳び、3000m障害などにもチャレンジしてゆく予定。

水陸デカスロン(砲丸投げ) 
5.定評高い、トライアスロン(クラブ推奨)

@ 坂戸トライアスロン(5回)最多参加者:12人
   種目:スイム1.5km、バイク36km、ラン8km
   寸評:坂戸市、総合運動公園の周辺で行なっている。初心者向〜上級者まで自由に楽しめる。スイムは50m屋外。バイクは自転車道1周16kmを3周回、信号なしの安全コースは参加者に好評。ランも公園内の周回コースを利用。 

坂戸トライアスロン(スイム終了)


   
A 鶴ヶ島トライアスロン(2回)最多参加者数:9人
    種目:ラン10km、バイク35km、スイム1.5km
    寸評:ウォームアップにエアロビクスを採用。参加者に大人気だった。バイクは鶴ヶ島市から奥武蔵の一般道利用。

鶴ヶ島トライアスロン(バイク)  


B 奥武蔵トライアスロン(3回)最多参加者:5人
  種目:バイク35km、スイム1.6km、ラン10km
    寸評:バイクもランも奥武蔵の山岳コース。森林浴抜群。

6.特徴ある、デュアスロンとアクアスロン
@ 奥武蔵、滝めぐりデュアスロン(1回)
A 東京、夜のデュアスロン(スイム1.5km、ラン42km)(2回)
東京、夜のデカスロン(コンビニで一休み)

B 日高アクアスロン(スイム1.6km、ラン12km)(3回) 
日高アクアスロン(女性は名スイマー)
7.単独種目
@ サイクリング
  1) 入間川自転車道、80km(H8.1.3)(3人)
  2) 城めぐりバイク、100km (H10.1.3) (5人)
A  武蔵野10里マラソン(H9.3.15)(4人)
B  スーパースイム(10km)(H8、H9)(8人)
  寸評:別名「終日泳ぎまくり大会」スイム談義で和気藹々。
スーパースイム(体つきが対照的でした)
8.面白さ抜群の異色トライアスロン
@  ローラースケートマラソン(H7.11.23)(3人)
  インラインスケート愛好者(自衛隊のホッケーチーム)が参加
  坂戸自転車道、約20km滑走。
ローラースケートマラソン(自転車道にて) 

A  遠泳バタフライ、トライアスロン(H8.2.24)(4人)
   バイク30km、スイム1km、ラン5km
   バタフライ愛好者のための大会。単独の遠泳バタフライ大会(2km)も開催した。(2回) 
遠泳バタフライ、トライアスロン

B 神社仏閣めぐり(巡礼走)参加者は3〜5人
  秩父札所めぐり、武蔵野神社めぐり、寄居12支まいり、
川越七福神トライアスロン、武蔵野七福神デュアスロン、
武蔵野観音めぐり巡礼走など。
9.トライアスロンは複合競技か?組み合わせ連続スポーツか?忍耐スポーツか?

どれも正解でしょう。「知的スポーツ芸術」とも考える。現代の多様化した世の中では、ひとつのことが出来るだけでは、物足りない。マルチワークが出来ないとダメ。常に次のことを考えながら行動する能力がにつく。「体力の総合的バランスを追求するマルチスポーツ」だと思う。
しかし、トライアスロンが『スイム、バイク、ラン』ではじめられたが、マルチスポーツを楽しめる、柔軟性に富んだ、「最高のエンタテイメント」だと思っている。
10.「中止した」残念トライアスロン
@「夏の夜の夢」トライアスロン(H9企画)
  スイム5km、バイク200km、ラン50km
  埼玉県坂戸市周辺。企画案は充分。24時間レース。安全コースを設定。スタッフ不足。
A 鎌北湖ボート漕ぎ、トライアスロン(H7企画)
ボート漕ぎ1.5km、バイク20km(山岳)、ラン7km
11.夢あふれる「魅惑のトライアスロン」:企画立案中
@「水陸氷雪」カドリーアスロン(4種の自然を愛する意味?!)
  「水」水泳1.5km、
  「陸」ラン15km、
  「氷」スケート15km、
  「雪」スキー(クロスカントリー)15km
A 陸上パワー挑戦会(跳投4種)
  三段跳び、ハンマー投げ、棒高跳び、3000m障害
B 「スーパーダンス」トライアスロン
  「エアロビクス、ディスコダンス、盆踊り」を踊りまくる。
Cウルトラ、スイム大会
  400m個人メドレー X 100本
D「ゴルフ、テニス、ボーリング」トライアスロン
    ゴルフとテニスは練習場で競う。最後はボーリング大会。
12.トライアスロンと高齢者社会
中身が濃く激しく面白い割には、一般人にそれほど普及してないスポーツがトライアスロンではないでしょうか。シドニーオリンピックで盛り上がって以来、なんとなく下火になってきたように感じる。これも時代の背景か?
市民トライアスリート」との出会いは、意外性にあふれている。

けっこう変な人(わたしもその一人かな?)が多いのだ。職業とはまるで似つかわないの人が面白い。2人として同じ環境の人はいないだろう。職業を分類してみても傾向がない。
   会社員、学生、大学教授、先生、運転手、理髪店員、スポーツ用品店、靴屋、僧侶、歯医者、看護婦、主婦、パイロット、国体選手などまちまちである。私は、「普通の日常生活の中に無理なく、トライアスロンの練習を取り入れ、多く仲間と、語り合えればいい」と思う。 

近年、高齢者の健康志向が一段と高まってきた。「健康作りセンター」でエアロビクスや水泳を行なう高齢者が増えてきた。
長生きしても運動不足病で苦しんでいる人と、常に健康つくりに励み、明るい未来に輝いている人と分かれている傾向がある。
最近、一番うれしいことは高齢者の女性が参加してくれることです。スイムの女性に、指導員クラスの人が多いのです。川下りマニアにも女性スイマーが多いのです。

競技指向でない「創作トライアスロン」をもっと普及し、夢のある未来を築きましょう。ボケ防止の効果は絶大で、高齢者の生きがいにもつながります。無理せずに、末長く挑戦してゆくことが「人生トライアスロン」だと思います。
13.仲間作りと情報交換

近年、携帯電話や電子メールにより、情報交換が便利になりました。
仕事の合間みて時間を有効的に活用し、常に意欲的にトライアスロンに親しんでゆきたいと思う。大きな大会に出場できなくとも、多くの仲間を集め楽しみたいものです。
みなさん、今後ともよろしくお願いします。「健康つくり」に関することは何でも、ご相談ください。「面白おかしいスポーツ」「創作トライアスロン」に関するご要望などありましたら、ご一報ください。

以上

平成14年11月4日
 
熊谷 秀輝
                               

(注)TJ誌:トライアスロン、ジャパン誌のこと。

20021206

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